2008/05/23 (Fri) 『猛スピードで母は』を読んだ

先日図書館で物色しているときに、みつけた本です、

『猛スピードで母は』長嶋有

去年の集英社の夏のオススメ本か何かに

『ジャージの二人』が載っていて、こちらを借りようと思っていたんですが、
どうも『猛スピードで母は』が芥川賞受賞作品だとかで、
こっちにしてみました。
ミーハーな私です～。

で、こちらの本は、

映画化された『サイドカーに犬』の原作も入っていました。
この『サイドカーに犬』も芥川賞候補になったらしいです。


『サイドカーに犬』のほうは
主人公の女性の小学四年生の思い出話がメインです。
当時、父と不仲だった母が、父が仕事を辞めたのをきっかけに、家出。
すると、父の友人やら愛人（大人になってから愛人だと気がついた）の「ようこさん」が家にやってきた。
「ようこさん」は、家にいろいろルールのあった母と違って、
自由にいろんなことをする。
私は、母がいなくなったことよりも、父と喧嘩する声を聞かなくてもよくなったということのほうが、嬉しく、
また「ようこさん」の自由さにも惹かれていく。

そんなお話。

正直、なんでこのハナシをわざわざ映画化するんだろう？？？っておもうほど、
そんなにアップダウンのある話ではなかったなぁ～。

それから表題の『猛スピードで母は』は
母子家庭の慎は、母と団地に住んでいる。
ある日、母と知らない男の人が写った写真を見つけた。
「結婚するかもしれない」と母が言う。
いままでにもなんどか母は恋人がいて、時々紹介されていたこともあってか、
あまりピンとこなかった。
そのうち、慎の家にその恋人、慎一もやってきたり、
二人で近所の水族館を観に行ったりするようになったが・・・・

こちらもあまりアップダウンのある話ではないですが、
読んでいると、ふと、その情景が映画のように浮かび上がってきます。
舞台は北海道なので、北の大地の少しくらくて寒くて、霧の立ち込める風景に、
少年の横顔がアップにうつる・・・とか、
水族館のトドのサクラの低い声とか・・・・

わたしだったら『猛スピードで母は』を映画化するけどなぁ～