2008/05/01 (Thu) 『王国 その１・その２・その３』を読んだ

なんとな～く図書館でその１からその３まで並んでいたのが目にとまり、
借りてみました。
　　　　
『王国』その１・その２・その３　よしもとばなな
です。

幼い頃から祖母と二人で、山の上で暮らしていた雫石という女の子の話。
祖母は山の薬草を使って、お茶をつくっており、雫石はそれをアシスタトしていた。
祖母のお茶は特に何をするわけでもないのだか、いろんな病のよく効くので
お客さんはその山を何時間もかかって上ってきて、祖母と話をし、お茶を飲んで、購入して、元気になって帰っていく。

しかし、山になんらかの変化があり、薬草に効果がなくなってしまった。
祖母は、メールで恋人になったひとのと海外で暮らすこととなり、
雫石も山を降りることになった。
居酒屋の奥さんの紹介で、目がよく見えなくてゲイの占い師、楓のところでアシスタントをすることになった。
楓はその人の物を触って、占う・・というスタンス。
片岡というパトロン兼恋人がいて、雫石を「楓を狙っている女」という目でみるので、ちょっといけすかない。
一方、雫石は、シャボテン公園でであった、真一郎くんと不倫の関係になっていた。

というお話。

雫石も、楓も、真一郎くんも、穏やかで穏やかで、やわらかい人です。
特に、雫石はサボテンも大好きだけど、
他の植物とまるで会話が出来るように、いろんなことを感じ取っていきます。
そんな力があるがゆえ、都会暮らしに息が詰まりそうになったり、退屈で、自分の輪郭がみえにくくなったりしますが、
それでも、彼女はちゃんと自分の道を見つけていきます。
真一郎くんも、サボテンの専門家ですが、他の植物にもたけていて、
穏やかで優しいひとです。

3巻もあるのに、おだやか～にハナシが進むので、
そう激動があるわけでもなく、
でも、確実に１と３では登場人物が成長していたり、状況がかわっていったりします。

普通に生きている・・ってこんな変化の仕方だろうなぁ～って思うくらい。


昨日も書きましたが
これを読んでいて、心がおだやか～になり、
ついうとうと寝てしまうと、
おだやか～な夢をみて、
ほんわかした気持ちで目が覚めました。

そう考えると幸せな本、なのかもしれませんね。