2007/11/13 (Tue) 『明日の記憶』を読んだ

これは１日でさすがに読めなかった。
昨日はＤＶＤみて、ちょっとぼ～っとしていたりしたしね


『明日の記憶』萩原浩

言わずもがな・・・渡辺健さん＆樋口可南子さんで映画化されましたので有名な小説ですね

広告代理店の部長、佐伯は５０歳。そろそろ物忘れが激しくなってきた。
でもまだまだやり手。
クライアントからはちょっとした用事でも、名指しされるほど信頼もある。
そのため、仕事が忙しく、不眠や頭痛に悩まされていた。
あまりの酷さに、病院を訪れる。
そこで大げさとも思われたいくつもの検査を受けた後、告知されたのは
・・・・・・若年性アルツハイマーだった。

彼はすこしづつ人の名前や約束を忘れてしまいます。
渋谷で迷子になったり・・・。
なのでいつもスーツにはメモでいっぱい。整理もおぼつかないほどです。
それでもどうにか会社に内緒で仕事をつづけようとがんばります。
なぜなら、年明けに一人娘の結婚式、そしてすぐあとには孫の誕生があるからです。
どうにか、その日までは・・・いまのままで・・・・

読んでいると、だんだん怖くなってきます。
私もこのごろ、物忘れが激しいなぁ・・・って思っていたので。
まぁ、まさか私は若年性アルツハイマーってことはないだろうけど、
年寄りの病気・・・と思っていたのが、
いつ自分にふりかかってもおかしくないんですから。

この本は一人称が佐伯部長です。
なので、書いてある漢字が少しずつ減ってきたりします。
１ページ前と全く同じ文章が出てくることもあります。
アルツハイマーの人の頭の中を覗いている気持ちです。
そしてその人の目で、最後は大事な人の姿を捉えます。
それが・・・悲しかった

でも、彼は幸せなのかも・・ってふと思った。
一番苦しいのは、「忘れることが怖い」と思っている時期。
でも、忘れてしまったあとは、彼にとって怖いものはないわけだもん。
忘れたくなかった人・・・奥さんとはもう一度であって、恋をすればいいんだわ・・って思うと、
なんとなく、忘れることは不幸だけではないのかも・・・って思った。
不幸中の幸い・・・ちょっと違うか