2007/10/17 (Wed) 『みどりの月』を読んだ

初めて角田光代さんの本を読んでみました。
結構有名な作家さんなのに、なぜ今まで読まなかったか・・というと、
なんとな～～～く、難しそうな気がしていたのです


『みどりの月』角田光代

これもmixiの『読書好き主婦』のコミュでオススメされていた本です

中には２つのお話がありますが、
表題の『みどりの月』と、『かかとのしたの空』です。

『みどりの月』の内容は・・・
時々ぼ～っとするクセのある沢田南は、ファミレスで働く、キタザワという男と１年付き合い、同棲することになった。
しかし、その３ＬＤＫのマンションには他に、キタザワの遠い親戚というキタザワマリコとその恋人のサルサワサトシというカップルが同居していた。
部屋は汚く、不潔で、ゴミだらけ。誰も掃除をする様子がない。
「掃除はしたくなった人がする。」というこの家では、冷蔵庫さえシェアできず、
入れたら誰に食べられてもしょうがない・・という、いわば無法地帯。
そんな奇妙な生活をおくるにつれて、キタザワの秘密も発覚し・・・。

あと、『かかとのしたの空』は
ある日、夫キヨハルは仕事を辞めてきた。
それをキッカケに、夫婦二人は家の中の物をどんどん捨て、行く当てのない旅にでることにした。
旅行・・っていうより、ほんとうに、旅。
それも何の目的もない、旅なのだ。
アジアのあちこちに行き、気が向いたら場所をかえ、パスポートにはんこを押してもらう・・・またあきたら・・・
そのくりかえし。
そのたびの途中、オレンジ色のスカートをはいた日本人女性と出会い・・・。

どちらのお話も面白かったのですが、
どちらのお話も、なんとなく息苦しい気がしました。

汚くゴミだらけの部屋は、匂いやら空気やらが重いし、
暑く湿度の高いホコリの舞うアジアのある街は、息ができない気持ち。
どちらも苦しいです・・・。
そしてどちらも「にげてぇ～～～」って思いがずっとありました。
どうして主人公はその状況の中で、あれこれ改善もしくは無視しようとするのか・・・。
外にでてみりゃいいじゃん！！・・・って思った。
（抽象的な意味でね）

でも、逃げられない。どうにか、内でなんとかしようとする・・・。
それって分るようなきがします。
出て行くのは怖いんだ。

あとね、『かかとのしたの空』の夫婦は
なんとなく、うちの夫婦に似ている気がする
う～ん・・・でもこの程度にも満たないかな・・・。