2007/09/18 (Tue) 『風味絶佳』を読んだ

この間から読んでいる、

『風味絶佳』山田詠美
を読み終わりました。

これは6つの短編集で、
作者の言葉を借りて言うと、
「日頃から、肉体の技術をなりわいとする人々に敬意を払ってきた。
職人の域に踏み込もうとする人々から滲む風味を、私だけの言葉で小説に埋め込みたいと願った。」
というお話。
つまりね、
1話目の『間食』は、とび職をしている青年と、田舎から出てきた女子大生＆OLの話。（フタマタ・・といえば、それまでだけど、なんとなく違う気がする）
２話目の『夕餉』は、ごみ収集をしている青年と、旦那や姑にいびられて逃げてきた（かけおち？家出？）した、主婦の話。
3話目の『風味絶佳』は、ガソリンスダンドで働く二人と、おばあちゃんの話。
4話目の『海の家』は、離婚して実家に帰ってきた主人公の母と、幼馴染の、引越し屋さんの青年の話。
5話目の『アトリエ』は、貯水槽や下水などを掃除する仕事の男性と、元スナック店員の暗い女性の話。
6話目の『春眠』は、主人公の同級生と結婚した、葬儀場で働く父の話。

仕事はともかく、どれもこの表題にあうように、
『風味絶佳』なお話でした。

このなかの『風味絶佳』は、映画化されたのですが、
柳楽優弥くんと、沢尻エリカさんがキャスティングだったんだよね。
柳楽優弥くんは、ウブで本当の恋をしらない青年・・・っぽいんだけど、
どうしても相手役が沢尻エリカってのが・・・頭の中で合致しません
まぁ、彼女は結構カメレオンで、役によってぜんぜん代わるみたいだから
それなりに合うのかもしれませんね。
見てみようかなぁ・・・。
柳楽優弥くんは好きなんだけどなぁ～～～。

でも、お話としては、『風味絶佳』よりも、
『夕餉』が好きです。
主人公の主婦（旦那から逃げて、ごみ収集している男性のところに転がり込んできた）が、大好きな大好きな男の人のために、
一生懸命夕食をつくっているのが、なんとも幸せそうなんです。
好きな人に食事を作るって、こんな楽しくて幸せなことだったんだ・・・って
思い出させてくれるお話でした。

・・って、今日は手抜き夕食だけど・・・