2011/09/04 (Sun) 『森に眠る魚』

雨・・・ですね。

とはいえ、朝、降ってなかったし、おもったほどの風も吹いてないから
もしかしてあったのかも・・とおもいつつ、まぁ、あきらめた。
天保山のパフォーマー審査会

まぁ、来週のお楽しみ・・ってことで。

だったら行こうと思っていた、
大阪ステーションビル・・・だっけ？
芸王グランプリ！
こちらは月曜日に延期ってことで・・・

ま、いいさ



で、家にいることになったし、
外にはでられないし、
家の中部屋干しでいっぱいで・・・・なんか人口密度も高く感じる
旦那は昨日からかえってないけどさ。


まぁ、こんな日は・・・っていうか、
ちょこちょこっと読んでた本が佳境に入って、止められなくなって
お昼ご飯の片付けとか、いろいろ、ほっぽり出して、読みきってしまった！


『森に眠る魚』角田光代

借りたときはなんの気になしに、借りました。
パラパラっとみて、母親のお話なんだな～って程度。
読み始めほんの数頁で「あれ？」って思いました。
似てるんです。この間やっていたドラマ
『名前をなくした女神』に！！
原作、あったんだ～。
って思って、調べたら、どうもそうではないらしい。
でも、ドラマが始まったときには、パクった疑惑がでたほど、
この本の貸出がかなり増えたことも書いてありました。

だよね～？似すぎだよね～。


でもドラマより、こっちの方が怖いです。
ドラマは、杏とつるの剛の夫婦は結構イイヒトだったけど、
この中に、まともな人はいません。
みんなどっかしら、おかしくなっていきます。
ドラマほど、ドラマチックなことが続かないけど、
その分、こっちのほうがリアルです。


長男を幼稚園に入れることで出来たママ友たち。
瞳・容子・千花。
瞳と千花が同じごろ妊娠し、共に生まれたのが女の子だったのもあって仲良くなった、繭子。

４人は最初すごく仲がよくて、一緒に写真スタジオに写真を撮りにいったり、ピクニックしたり・・・。
しかし、「お受験」をする、しない。するならどこを受ける・・という話になった頃から
だんだんギクシャクして行くようになる。

ドラマでいう木村佳乃役の人物が
そして、繭子のマンションの最上階に住む、かおり。
彼女の娘は小学受験をしたものの、第一志望には落ち、第二志望の学校に通っていた。
誰もがうらやむような生活をしているように見えていたが、
やはり彼女と、彼女の娘の心にも闇があった・・


実は数年前にあった、文京区のお受験幼児殺人事件がモデルとなっているらしいです。
当時、あれで
「小学校からお受験なんてさせるからそんなことになるんだ」的風潮が一瞬あって、
私の知人が小学校受験して合格したことを同じ幼稚園の人に言えない・・
って言ってました。
かなり衝撃的事件でした。

でもあの事件も実は「お受験」だけが引き起こした事件ではないようです。
その前からの、ママ友との小さな鬱憤がたまり、
それを「・・・・ま、いっか」と自分のなかで消化できず、どんどんどんどん恨みになっていき、
「彼女がいなくなれば」「あの子がいなければ」という気持ちになっていったらしい。


お受験しないから、うちは平気～

・・とは、いかないようですよ


この物語も同じく。
受験がひきがね、関係の悪化になったとしても、
もともと、それぞれの母親は、おいつめられ、息苦しい毎日をすごし、迷い、苦しみ、傷ついています。
誰かに何気なく言った一言も、そんなナイーブな相手の心に重症を与えてしまうことも。
そんな辛い気持ちを、素直にだんな様に伝えて
「大丈夫か？」と心配してくれたら、傷はなかったことになるのに、
思うような言葉をだんな様は言ってくれません。
もう諦めて、何も話さなくなります。
話したら、自分が傷ついてしまう・・・


もうね、
「わかる～～～～っ」って本に向かって叫びたい気分でしたよ！！


繭子がローン地獄になり、お金欲しさに、瞳の息子が幼児教室にかよう間、娘を預かるのね。
でも、繭子はいいかげんな性格で、
家の中はおおよそ子どもを育てられる衛生環境じゃなくなっているのね。
おまけに、泣きわめく子を乱暴にあつかって、大怪我させてしまったのを、
いけしゃ～しゃ～と引き渡して、お金だけ多めに要求する。

瞳が娘の様子がおかしいことに気づいて、病院に行って判明するんだけど、
そのことをだんな様に話せずにいる。

なぜなら、だんな様は息子の受験にも幼児教室にも反対だったから。
娘を繭子にあずけていることも言ってない。
（聞かれてないから言ってない。でも後ろめたいからあえて言わない）

すると・・・娘が大怪我した原因すら、だんな様に話せなくなってしまう。
で、瞳は「主人は私を虐待していると思ってるんじゃないだろうか？」と不安になる・・。

そんなことの繰り返し・・・・。

ママ友同士でも、
「どこの幼児教室に行ってるの？」
のセリフだけで

・・・一緒には行きたくない
・・・一緒に行って、うちの子だけおちたら嫌だ
・・・なんでこの人は自分で調べないの？
・・・きっと教えてくれた教室は、ダミーだ
・・・頼らないでよ！
・・・きっとあの人と二人っきりで行くんだ。私はハブられてる
そんな感情がいろんな人に渦巻いて
でも、表面的には笑って「そうね～」なんて話をしているの。

あぁ・・・・こわいこわい。

もう、最後はホラーでしたね。
人間だけだけど、ホラーです。狂気です。



これからママになる人。
もうこの道を通ってきた人
（私にもこんなひどくないけど、近い、いろいろはあった）
そんな人は、もちろんの事、

一番読んで欲しいのは、これからだんな様になる人、
今、幼稚園・小学生のお子さんがいるパパさんに、
是非、読んで欲しいと思います。

女って・・・・大変なんですよ・・・・・。